みなさんこんにちわ!
ゆかつちです!
本記事では、2024年1月時点でグラフィック社より全10巻刊行されている大人気シリーズ「モルフォ人体デッサンシリーズ」を計17冊持っている私、ゆかつち が優先して入手すべきモルフォシリーズをランキング形式で紹介します!
モルフォシリーズが気になっている方などは ぜひご参考ください!
そもそもモルフォとは?
まずモルフォという言葉について軽く触れさせてください
この言葉は“モルフォロジー:Morphology(形態学)“の略称のことで、「形状」や「構造」について考えるという意味があります
モルフォロジーという言葉自体は、生物学や言語学、地形学など様々な分野で使われている単語のようですが、
共通しているのは言葉の意味通り「形状・構造」に重点を置いているという点です
例として
・生物学であれば、違う動物同士で身体の形や大きさ(形状)がどう違うのか
・言語学であれば、言葉がどう作られてきたのか(構造)
・地形学であれば、山や川などの自然がどのように形成されてきたのか(形状・構造)
といったように形態(特徴)から理解していこうというのがモルフォロジーになります。とてもシンプルですね
今回ご紹介させていただく、「モルフォ人体デッサンシリーズ」もまさしく形態(特徴)から人体等を理解していけるように本全体が設計されており、ただ一読するだけでも「形状」や「構造」を捉える力の重要性について考えさせられます
個人的にはクロッキー練習と非常に相乗効果が高いと思っているので、可能であればモルフォシリーズの学習と並行してクロッキーサイト等も活用し、効率的に練習を行うことをおすすめします!
各クロッキーサイトのまとめはこちらから
モルフォ人体デッサンシリーズとは?
モルフォ人体デッサンシリーズとは、グラフィック社が刊行してるモルフォ人体デッサン集のことです
2024年1月時点で全10冊刊行されており、
- 第1巻「服のシワを描く」
- 第2巻「箱と円筒で描く」
- 第3巻「頭と首を描く」
- 第4巻「究極の筋肉ボディを描く」
- 第5巻「動物をリアルに描く」
- 第6巻「関節と筋肉の動き」
- 第7巻「手と足を描く」
- 第8巻「脂肪とシワを描く」
- 第9巻「骨から描く関節と筋肉の動き」
- 番外「モルフォ人体デッサン」(A5サイズの一番大きいやつ)
となっています。※順番はAmazonを参考
モルフォシリーズの本は書店のイラストコーナーに行けばほぼ必ず置いてあるぐらいイラストの定番参考書ですが、
「モルフォ」という聞きなれない字面や本の表紙の妙にリアルでグロめな絵を見て、なんとなく敬遠してしまっている方、試しに本を開いてみたけどどう使うかピンと来ない方は少なくないと思います
実際、私ゆかつちもイラストの学習を本格的に始めたころは、他のカッコいいイラストや可愛いキャラが表紙の参考書の方にばかり目が奪われてしまいモルフォシリーズは完全に避けていました
正直、あの時 読まず嫌いなんてせずにさっさと買って練習していればもっとスタートダッシュも最速でメキメキと上達していたのかな…と思うことが今でもあります
ですので、まだモルフォシリーズを買うか迷っている方・どの参考書を買うべきか迷っている方などには特に強く言いたいことがあります
このシリーズは今の実力を必ず一つ上の段階に押し上げてくれます。自分のために必ず手に入れてあげてください。確実に成長していく自分を実感できるはずです!
モルフォシリーズの使い方
肝心なモルフォシリーズの使い方についてですが、基本的には他のイラスト参考書と同じで模写になります
ありきたりですが、イラストの参考書の学習はそもそも模写することが大前提なので、最初のころはどれだけ模写が面倒くさくてもはがんばって耐えてください。慣れましょう
逆にモルフォシリーズは そもそも描き込みが多くなく非常に模写しやすいはずなので、
模写が苦手な方は この本で模写力もついでに培っていきましょう。一石二鳥です
では、模写することを念頭に置いたうえで、個人的に優先して入手すべきモルフォシリーズをランキング形式でまとめたのでご覧ください。ちなみに私ゆかつちがそれぞれ最低3周以上した上で、入手優先度の高い順にランキングしています
モルフォ人体デッサンシリーズのベストランキング
第1位 「箱と円筒で描く」
第1位は、モルフォシリーズ第2巻の「箱と円筒で描く」です
内容としては題名の通り全体を通して人体のすべてを長方形の箱、あるいは円柱で表現しており最もモルフォロジーを体現している一冊でした。入手優先度はシリーズ全体の中でも群を抜いて一番高いです
人を描くのってすごく難しいですよね
腕や脚とかはクロッキー練習やらでなんとなく描けるようになっていきますが、筋肉が複雑に入り組む肩や骨盤周辺は描こうとすると非常に難易度が高いと思います
自分なんかはこの本と出会うまで、人体を頭の中でうまくイメージできない状態で絵を描いていました
なので難しいポーズやイメージしたポーズとかをそのまま描くっていうのがすごく苦手で、
正解の線が出るまで何回も描き直したりして、気づいたら紙がヨレヨレになっていたりしていました
もっとスッと絵が描けるようにならないかなぁとずっと悶々としていたわけです
もし今現在、あなたの中に
人体を頭の中でイメージして描けない、とか
のっぺりした平面的な絵から抜け出せない、
もっと簡単に人が描けるようになりたい、
という思いがあるのであれば、特におすすめできる一冊です
正直言ってモルフォの真髄はこの一冊にあると言っても過言ではありません。
個人的には第2位に大差をつけての第1位です
第2位 「骨から描く」
第2位は、モルフォシリーズ第9巻の「骨から描く」です
こちらも内容としては題名の通りで人体のすべてを骨から描き上げていく工程を追体験することができます。
人体の描き順は人によってもちろん異なるものの
アタリ→単純図形→骨or筋肉→etc…
の順で描き進めていくことが一般的かと思います。この本はその中の骨or筋肉の部分に重点を置いており、人体の絵の説得力を上げる描き方やイメージや描写しにくい関節部分の捉え方などは非常に参考になると思います
第1位の「箱と円筒で描く」と比べると描き込み量が増えており、初心者の方には若干模写が難しいとは思いますが、できる範囲での反復練習をおすすめします
こちらは
「箱と円筒で描く」を読破済み、
あるいは単純図形の素体に骨の情報を乗せて描き込むことができない、
顔や鎖骨、肘・ヒザなどの関節部分の人体らしさをより表現できるようになりたいという方に特におすすめできます。
こちらも入手優先度は高いですが、あくまでも「箱と円筒で描く」を入手後に余裕があるようであれば入手を推奨します
第3位 「究極の筋肉ボディを描く」
第3位は、モルフォシリーズ第4巻の「究極の筋肉ボディを描く」です
本の内容としては題名から察する通り一冊まるまる筋肉の解説に使われています。表紙の絵がバキバキの筋肉ムキ出しなので心理的に若干手が出しづらいかもしれませんが、非常に素晴らしい本なのでぜひ手に取ってみてください
入手優先度は第2位の「骨から描く」と同レベルで高いのですが、
いうまでもなくすべての筋肉は骨にくっ付いているわけですから、優先度的には「骨から描く」の方がわずかに高いと思われますので第3位としています
なおすでに人体の骨の知識がある程度頭の中に入っているという方はこちらの本をいきなり買いましょう
さきほどの第2位の説明内でも書きましたが、人体の描き順は
アタリ→単純図形→骨or筋肉→etc…
という流れを採用する人が一般的ではないかと思います
この本も「骨から描く」と同じく、その描き順の中の骨or筋肉に重点を置いているのですが、
描かれてる内容が「骨から描く」は90%くらいが骨の説明なのに対し、「究極の筋肉ボディを描く」は90%くらいが筋肉の説明となっています
そのため金銭的に余裕があるようであれば、個人的には「骨から描く」と一緒に購入して同時並行で学習したほうが効率が良いと思います
こちらは
より丁寧に人体を描き分けたい、
どんな角度から見ても不自然に思われないような説得力のある人体を描きたい、
という方におすすめできます
第4位 「服のシワを描く」
第4位は、モルフォシリーズ第1巻の「服のシワを描く」です
こちらも本の内容としては題名から察する通りで服のシワ、材質や種類をわずか5種類のひだで表現する方法を解説しています
基本的には服に焦点を当てているため、こちらも服のシワの描き方(5種類のひだ)に集中すればよいのですが、第1位の「箱と円筒で描く」が学習済みであることを前提とした描き方に全体的になっています
もちろんいきなりこの本だけ使うというのも問題ないのですが、素体もあまり描けないかもって方の場合は「箱と円筒で描く」も同時に使った方がスムーズに学習できるかもしれません
こちらは
服のシワを描きすぎてしまう、
服の描き分けが上手くできない、
服が浮いてしまって人体と上手くマッチしない
という方に特におすすめできます
第5位 「手と足を描く」
第5位は、モルフォシリーズ第7巻の「手と足を描く」です
題名の通り、肘・ヒザから先の描写に特化した一冊となっています
内容的には、第1位の「箱と円筒で描く」と第2位の「骨から描く」が一冊に合わさったような構成になっており、手足の描写力をレベルアップさせたい方には非常に力になってくれると思います
個人的には、この本の入手優先度は中ですが、
正直、モルフォにこだわらないのであれば、手足に関しては他の参考書の方が役立つ物があるので買う必要はないかもしれません
こちらは
手足の形をもっと正確にイメージできるようになりたい、
手足の描写の説得力を上げたい
という方に特におすすめできます
第6位 「モルフォ人体デッサン:新装コデックス版」
第6位は、モルフォシリーズ番外編の「モルフォ人体デッサン:新装コデックス版」です
モルフォシリーズのナンバリングからは外れており、サイズもこの一冊だけ大きくなっています
第1位の「箱と円筒で描く」~第5位の「手と足を描く」の総集編+αみたいな構成になっており、300ページ超で2500円弱(※執筆時点)とページ当たりのコストパフォーマンスも一番高いです
ただし内容的には浅く広くといった感じでナンバリングのモルフォシリーズと比べるとかゆい所には手が届かない印象です
またラフ絵が多いため模写がしにくいのもこの順位にした理由の一つになっています
総合的に見て入手優先度は低くく、ランキング上位の他のモルフォシリーズ学習後に手を出した方が無難だと思います
こちらは
ある程度人体のデッサンなどに慣れている、
ある程度解剖学の知識がある
という中級者以上の方におすすめできます
第7位 「頭と首を描く」
第7位は、モルフォシリーズ第3巻の「頭と首を描く」です
内容的には、第1位から第3位までのモルフォシリーズの頭頸部についての解説を再編集した一冊になっています
他のモルフォシリーズを所持しておらず、かつ頭単体の描写力を強化したいという狙いがあるのであれば、買って損はないでしょう
ただ後に他のモルフォシリーズにも手を伸ばす場合は、ある程度は内容が重複しているため注意です
若干加筆も入っておりますが、他のモルフォシリーズを購入済みなのであれば入手優先度は低くくなります。よって第7位としました
第8位 「関節と筋肉の働き」
第8位は、モルフォシリーズ第6巻の「関節と筋肉の働き」です
内容的には、関節の種類や動き、筋肉の作用について細かく解説されています。若干解剖学書寄りのモルフォといった感じです
人体を描くときに、骨や筋肉を描く段階で姿勢や体表のラインが不自然じゃないかを理論的に吟味できるようになるので非常に力になってはくれますが、内容的に専門性が高い一冊となっているので入手優先度は低くく第8位としました
個人的には、第3位の「究極の筋肉ボディを描く」で物足りなかった方が入手を検討すると良いと思います。初っ端から買うような本ではないですね
もちろんやって損はないですし、筋肉や骨についての理解が深まるので良書なのは間違いありません。しかし初心者向けではないので、筋肉や骨の知識がある程度固まっている中級者以上の方、あるいはランキング上位のモルフォシリーズを学習済みの方が取り組む方が良いと思われます
こちらは
ある程度人体のデッサンなどに慣れている、
ある程度解剖学の知識がある
中級者以上の方におすすめできます
第9位 「脂肪とシワを描く」
第9位は、モルフォシリーズ第8巻の「脂肪とシワを描く」です
内容的には、脂肪が人体のどこに付いて どこに付かないのか、また人体のシワは何が影響を与えているのか、などが解説されています
普段痩身しか描かない・描けない、という方などは絵の幅を増やすために購入してみても損はないと思います
学習に取り入れることで、人体に好きなように脂肪やシワを描き足すことができるようになりますが、第6位~8位と同様に初っ端から買うような本ではないため、ランキング上位のモルフォシリーズ学習後に興味があれば手を出す、という感じがベストだと思います
こちらは
人体の学習に関して明確な目標を持っている、
もっと多種多様な人体を描けるようになりたい
という中級者以上の方におすすめできます
おまけ 「動物をリアルに描く」
ランキングに入れるか迷いましたが、おまけという形で軽く紹介させてください。モルフォシリーズ第5巻の「動物をリアルに描く」です
題名の通りで、モルフォ人体デッサンシリーズではありますが人成分は殆ど含まれていません。そのため人体の学習目的であれば、入手は完全に不要です
ただし、動物をモルフォで描くという点については非常に良い一冊だと思います
内容的には、「箱と円筒で描く」「骨から描く」「究極の筋肉ボディを描く」を全部混ぜた動物バージョンといった感じとなっていて
結構しっかりと解説している本なので、他の学習と並行して取り入れてみてもいいかもしれないですね
ちなみに動物の描き方に関する参考書は少ないので、もし動物込みのランキングであれば第4位には入れていたと思います
まとめ!
最後に入手優先度ごとに簡単にまとめます
もしモルフォシリーズの購入を検討している場合は、入手優先度:高の上位3冊をひとまず購入してみて、
その後に入手優先度:中、低に手を出すとより効率的に学習が進められるかな、と個人的には思います。
もちろん人によって買うべき順番が前後すると思いますので、これは一つの参考程度にとどめておいてください
おつかれさまです!
追記:最新刊の第3巻「頭と首を描く」は、まだ評価中のため後ほど加筆します
2024年8月21日に加筆しました
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